国語が得意科目になる「印つけ」読解法

中学受験専門の某大手塾で国語講師をしている者です（塾講師歴は25年以上）。職業柄、国語の参考書・問題集は中学受験用から大学受験用までほとんど目を通してきました。今回も早速、Amazonに注文し、本書を拝読するのを楽しみにしておりました。結論から言うと、「可もなく不可もなく」といった感じです。悪くはないのですが、期待したほどではなかったです。辛辣ですみません…。本書はタイトルの通り、主に「本文の印つけについて」書かれています。ただ、それだったら、早川尚子先生の「お母さんが教える国語」シリーズと同じかなと。また、解き方についても少し述べられていますが、この程度ならば、田代敬貴先生が書かれた「田代式 国語の神技」や、井上秀和先生が書かれた「文章読解の鉄則」のほうが参考になります。この2冊はかなり良いです！ただし、あくまで国語講師（プロ講師）からの視点ですので、お子様が国語が苦手で悩んでいらっしゃる保護者の方（目安としてはサピックスで偏差値30台、四谷大塚・日能研で偏差値40台のお子様）には読みやすいかもしれません。文章も品があり嫌味がなく、藤岡先生ご自身は素晴らしい方なんだろうなと想像できます。最後に、「国語は満点が取れます」というキャッチコピーについて。桜蔭、筑駒、開成、麻布でも…？答えはもちろん「NO」です。難関校の国語は高得点勝負の戦いではありません。実際、トップレベルで合格する子ですら高得点（70％以上）など、めったにとれません（ただし、JGの国語は別。フェリスなら75%なら可能）。このことは現場でそのレベルの子たちを教えていれば、すぐに分かることなのですが…。よって、★は3～3.5くらいです。