Newton(ニュートン) 2018年 01 月号 [雑誌]

科学雑誌Newtonの2018年1月号の特集は、人工知能（AI）です。ディープラーニングを中心に、近年の技術の進歩は何がどう変わったからなのか、データ活用との関係、シンギュラリティは来るのか、将来人間の脅威になる可能性といったことについて一般向けにとてもやさしく解説しています。「宇宙で惑星はどう生まれるのか？」では、ホットジュピターやエキセントリックプラネットの登場によって太陽系に基づいて考えられた「京都モデル」が見直しを迫られていることが取り上げられています。宇宙関連では、「輝く星々の一生」に、集められた原始星誕生の現場や生まれたての星から噴き出すジェットの様子や超新星の残骸といった写真がいくつも収められています。写真特集では「海に生きる不思議な形」も面白いです。妖怪のようなボウズニラとか、宇宙船のようなアミガサクラゲのようにとても変わった生き物が登場します。「世界の絶景」も写真で魅せます。中国の黄山とエクアドルのキロトア湖が取り上げられています。変わった特集としては、「美しきタイル張りの数学」があります。どんな三角形も四角形も敷き詰めが可能だということで、一見単純に思えますがなかなか奥の深い世界です。「トップランナー」では、ノーベル化学賞の有力候補である、デザイン型のルイス酸触媒の分野を切り開いた山本尚教授が登場しています。今月号は「天体カレンダー2018」が付いています。しかも、お値段も税込み特別価格1200円→1000円。お求めやすい価格なのは良いですが、背景に販売部数の減少があるとしたらちょっと複雑な気持ちです。とても良い雑誌なので、なんとか生き残って欲しいと思います。